市議会だより 2025夏号

郡山市議会 6月定例会の報告

PFI事業前提で進める中学校給食センターの集約化・新設に反対!

6月定例会が6月13日から7月2日まで開催されました。6月20日に岡田議員が代表質問を行い、24日に遠藤議員が市政一般質問を行い、7月2日の閉会日には岡田議員が討論で、中学校給食センターを新たにPFI事業で検討を開始する議案と国民健康保険の改正等の議案に反対し、請願4件の採択を求めて討論を行いました。

岡田議員の代表質問について

【市長の政治姿勢について】
質問:「憲法と地方自治法を守るという戦後の民主的な市政運営の基本」について、市長の見解は?
回答:憲法と地方自治法では、地方の自主性と自立性の保障、並びに住民の意思に基づいた行政運営により、公共の福祉の実現を目指すことが示されている。私の「市民目線」と「現場主義」重視の政治姿勢は、これと重なるものと思う。政策の立案や実行にあたっては、現場の実情に即した柔軟で実効性のある判断を重視していく。

【農政の問題について】 
質問:コメ不足と価格高騰の原因となった、2004年の食糧法改正によるコメ自由化をはじめとした20年にわたる自民党農政の失敗により、本市の農家戸数は、2000年と2020年の比較で2分の1に減少しており、本市農業は、存続の危機を迎えている。農家人口の減少対策、所得安定策など、米作農家に対する抜本的支援が必要ではないか。
回答:本市では、国の経営所得安定対策のうち「水田活用の直接支払交付金」を活用し、そばや大豆、輸出用米や高収益野菜など、水田を活用し転作した農業者に支援してきた。しかし、全国的にコメの販売価格が昨年比約2倍になっていることから、国は、2027年度からコメ政策を根本的に見直すとしているので、国の動向を注視していきたい。本市としても、農業者にとって再生可能な農業所得を確保できる政策の実現を要望し、農業の持続的発展に取り組んでいく。

中学校給食センターの集約化新設のPFI事業について】

質問:子どもたちの給食施設に、請負企業の収益性が優先されるPFI事業を導入してよいのか、今の段階で再検討すべきではないか。

答弁:「導入可能性調査」で、運営や維持管理費を含めたトータルの経費削減とサービスの向上が期待できることから、PFI手法を採用する。献立作成、食材調達、給食費の設定等については、従来通り、市が責任を持って実施する。

PFI事業は、なぜダメなのか?
PFI法では、基本理念に「民間事業者の収益性を確保する」と明記するとともに、「国及び地方公共団体の民間事業者に対する関与を必要最小限のものとする」と、請負業者の裁量権を制限しないよう規定されている。日本自治体労働組合総連合(自治労連)の弁護団が2019年3月に出した「包括的民間委託についての意見書」では、特に学校給食について取り上げ、「委託料には人件費に加えて企業の利益が『管理経費』などの名目で加算されることになり、結局、直営の時よりもコストが高くなる恐れがあり、かえって住民サービスの低下を招く。」と述べ、民間委託の危険性を指摘している。

【生活保護行政の問題について】

質問:生活保護費の増額について、本市として大至急、緊急の対応を検討しなければならない事態ではないか?

答弁:国の「社会保障審議会生活保護基準部会」が5年に一度「全国家計構造調査」に基づいた評価、検証等を踏まえ、生活保護の基準額を決めている。本市としては、その基準に基づき、適切に制度を実施していく。

質問:自家用車の保有については、合理的かつ常識的な範囲で保有を認めるべきではないか。同様に、通院時の移送費について、現状より柔軟に給付できるようにすべきではないか。

答弁:自家用車の保有は、「公共交通機関の利用が著しく困難な地域に居住する被保険者の通勤及び通院等に利用する場合など」認められるとなっている。移送費の支給は、「原則として居住地等に比較的近距離に所在する医療機関に限る」とされているが、個別に内容を審査し、必要に応じて給付している。

国民健康保険制度の問題について】

質問:限界まできている加入者負担を軽減させるため、本市としても何らかの取り組みを検討する必要があるのではないか。

答弁:物価高騰などの、予想される本年度の税収不足分については、全額、財政調整基金から充当する等して、税率等を据え置いている。更なる市独自の負担軽減策の実施は、加入者以外に負担を求めることになり、税負担の公平性の観点から、現時点では考えてない。

質問:マイナ保険証更新の間の医療空白を生まないために、いくつかの自治体で実施しているような資格確認書の全員送付を、本市でも検討すべきではないか。

答弁:国は、国民健康保険の被保険者は「後期高齢者とは違う」と、「全員一律に資格確認書を交付する状況ではない」との見解を示していることから、現時点では一斉交付は考えていない。

生活保護制度は、破綻している!?

この物価高騰の中、一カ月7万円の生活費では「やっていけない」の声が続出している。「いのちの砦」訴訟の最高裁判決で、2013年からの保護費の減額が「違法」との判断が示されたように、現行の保護費は、あまりに低額である。しかも、その不十分な金額でさえ、水際作戦でなるべく該当させないような指導が行われている。例えば、自家用車の保有、通院費の支給等、当然認められるべき状況なのに、「贅沢」扱いされ却下されてしまう。金額、運用の両面で、生活保護制度は、破綻していると言わざるをえない。

遠藤市議一般質問

 国策として進められた地方自治体の情報システム標準化については、市民サービスの向上はなく、システム対応だけで一般財源が増加することは議会へも市民へも説明がつかない、増加分については「国が自治体へ補助するしかないのではないか」と全国の自治体から声が沸きあがっています。

 学校教育に関しては、防衛省の「はじめての防衛白書」が小学校の図書館へ参考資料として送付されたことに対する教育現場での対応ついて、また、学校施設長寿命化の交付金が削減された問題について質問しました。

 その他、河内クリーンセンター再整備事業について、地域経済の活性化のための、若い世代へのスタートアップ支援と高齢化が進む地域経済の事業承継支援について質問しました。

国策として進められた自治体システム標準化移行後の運用経費が1.4倍に増嵩、国の責任が問われるのでは?!

地方自治体の標準化システムは、当初、3割の運用経費の削減が見込まれ、2025年度までに移行すれば、その移行費用は国が全額補助するとしたため、全国一斉に移行作業が進められましたが、2025年度末まで移行できないシステムを抱える自治体が31%にも上り、移行支援期間を2030年度末までに延期せざるをえませんでした。

 また、運用経費の増大は、中核市市長会によれば、平均2.3倍に増嵩、金額にすれば平均3億4,600百万円以上の増ということで、今年1月に政府に対して「地方公共団体情報システム標化関する緊急要望」を提出しています。

【要望書からの抜粋】自治体システム標準化は国策として進められたものであるが、運用経費は「少なくとも3割削減を目指す」との方針に反し、大幅に増大する見込みである。その要因として、国の定める標準仕様の増大により開発・保守費用が肥大化したこと、またシステムの肥大化と相まって、当初期待されたガバメントクラウド利用の低減効果が得られなかったことも十分に想定される。このため、想定を上回る運用経費の増大については、国の責任において適切に財政措置を行うこと。

【郡山市の答弁】

郡山市の標準化システム移行に係る費用について、標準化システム移行対象20業務のうち、今年度に移行完了する住民基本台帳システム等12業務システムのみの費用に関しては以下のとおりです。

・システム移行に係るシステム構築費 4億2,049万円

・運用経費 9億710万円

・移行による業務変更影響調査/ガバメントクラウド接続等環境整備費 1億739万円

以上、令和12年度までの契約期間における総額は14億3,498万円になります。

※構築費等移行費用につきましては、国のデジタル基盤改革支援補助金を財源として充当

※残る特定移行支援システムの標準化システム移行に係る費用は、今定例会に予算計上済

本市におきましても、特定移行支援システムを除き、標準化移行後、年間約1.4倍増になるものと推計しております。今後も、あらゆる機会をとらえ、国に対して財政支援の要望を行うとともに、運用費用の軽減のために見直しも継続して研究してまいります。

「はじめての防衛白書」について

【質問】戦後80年を迎える今年、防衛省が全国の小学校に一冊ずつ送付した「はじめての防衛白書」は、スタンドオフ防衛や敵基地攻撃、武器の写真付き紹介、基地強化など軍事的な情報が平易に記されているが、15兆円もの武器購入ローンの負担などには触れていない。特定国を脅威と明示しており、憲法の平和主義や教育の中立性と乖離が見られる。武力の正当性が強調されすぎていると懸念。また、イスラエルのイラン攻撃事例が、日本政府の「敵基地攻撃」方針に近く、現実の戦争との接点を教育でどう扱うかが問われている。

【答弁】教育的対応としては、現代の情報社会では、児童生徒が世界の紛争状況を容易に知ることができるため、教育基本法に基づき、平和教育を含む人格形成を重視した教育活動を推進している。今後も、児童生徒が平和を尊重し希求する態度を育むよう、学校教育の充実に努める。

学校施設の長寿命化対策について

【質問】令和7年度の国の学校施設環境改善交付金が不採択となり、柴宮小校舎と行徳小屋内運動場の改修計画を見直す必要が生じたが、今後の対応について

【答弁】入札中止となった2校(柴宮小・行徳小)について財源確保のため、国の動向を注視しつつ、起債や基金の活用を検討。児童の安全や学校運営への影響も考慮しながら改修計画の見直しを進行中。中止となっていない4校の改修(大成・芳賀・小山田・安積第一)については継続事業として、計画通り改修工事を実施。入札は5月中旬に完了し、7月着工に向けて準備中。財源は公共施設等適正管理推進事業債や総合管理基金を活用予定。今後の改修計画への影響については、国の補助金の減額により、今後の改修計画にも影響が及ぶ可能性あり。財源確保と事業の優先順位を再検討しながら、年次計画に基づく改修を継続する方針。

河内クリーンセンター再整備について

【答弁】河内クリーンセンター再整備の基本方針については、既存施設の老朽化、災害時対応力の強化、安定した処理体制の確保を目的に、建て替えを実施。新たな河内施設と富久山施設の2拠点体制を維持する。 スケジュールは以下のとおり。
o 令和6〜8年度:基本計画策定
o 令和8〜11年度:PFI導入調査・事業者選定
o 令和11年度:設計開始
o 令和16年度:完成・供用開始
o 令和18年度:既存施設撤去完了予定
令和10年度までに環境影響評価を実施し、法令順守に努める。
また、地元住民との説明と合意形成に努める。

埋立処分場の使用可能期間について
o 第3期:使用可能期間約4年
o 第4期:使用可能期間約30年


焼却灰等の再資源化事業の展望について
o 年間約400tを貴金属回収などで再資源化
o 最終処分場の延命、税外収入の確保、リサイクル率の向上
oサーキュラーエコノミー推進にもつながる取り組み

地域経済の活性化について

 地域経済の活性化のために、若者が主役となって地域の資源を活かし、地域に根差した活動や生産物等を通して繋がり、経済を循環させ、全体が活性化していく。そのような地域経済を実現すべきです。

【答弁】スタートアップ支援

 商工会議所や金融機関、税理士、コンサルタント等との連携による支援体制を構築するとともに、「郡山市社会起業家加速化支援プログラム」に参加する大学生などの若者に対し、事業ブラッシュアップをはじめとした伴走支援を行っており、今後も引き続き、起業したい若者を後押しする取り組みを積極的に進めてまいります。また、本定例会に提出しております、起業家教育事業では、高校生に対し「起業家精神」や「ビジネスの知識」を習得するプロクラムを実施する起業家という働き方を学んでいただくとともに、過去に、本市が支援した「若手先輩起業家」に、いわゆるロールモデルとして、本プログラムに参画していただくなど、本市における若者の起業意識の醸成に取り組んでまいります。

【答弁】事業承継支援

 若者が地域の事業を承継することは、地域の雇用や経済基盤が維持されるだけではなく、若者の持つデジタル知識や新しい感性により、新たなイノベーション創出や販路開拓等の事業成長も期待することができます。そのため、本市では、商工会議所や農商工部産業雇用政策課会、福島県事業承継・引き継ぎ支援センター等と連携支援体制を構築し、事業承継の重要性の啓発や、承継を必要とする事業者の掘り起こしと相談対応などに取り組んでおります。また、今年度は新たな取り組みといたしまして、起業したい若者と事業承継を希望する事業者とのマッチングを図り、若者が地域の事業を承継し、自身のアイディア等による事業成長に取り組めるよう、本年秋頃を目途に支援体制の構築を進めてまいります。 今後におきましては、スタートアップ支援と事業承継支援との事業間連携、さらには、若者の活躍や地元就職、移住・定住の施策間連携による相乗効果を図り、若者が本市で働き、暮らし、家族を築く未来を支える経済環境の整備に、積極的に取り組んでまいります。

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