12月定例会が11月28日より12月15日まで開催されました。4日に行われた岡田議員の市政一般質問では、教育現場での働き方の問題について、また、生活保護に関する問題について質しました。討論では岡田議員が議案第166号「令和7年度郡山市一般会計補正予算(第6号)」(債務負担行為の補正) 中「学校用務員業務委託料 (令和7年度分)」と、郡山市議会議員と市長等特別職のボーナスアップに関する議案4件に反対する討論、常任委員会審査で不採択となった請願第28号の採択を求める討論を行いました。
岡田議員の市政一般質問
一、人勧制度の問題について
【質問】労働基本権制約の代償機関として設置されたはずの人事院・人事委員会が行った本給マイナス勧告と比較対象企業規模の引き下げが、公務員給与引き下げの最大の要因だったのではないか。
【答弁】人勧制度は、公務員の勤務条件を社会一般の情勢に適応させる「情勢適応の原則」が基本であり、官民給与の比較における企業規模の見直しについても、制度の趣旨を踏まえ行われているものと認識している。
【質問】今年、比較民間企業規模が「100人以上」に引き上げられたが、例えば郡山市の職員数3300人を考えれば、それでも足りないのではないか。現に今年の人勧でも、中央官庁に勤務する職員には「東京特別区の企業規模1000人以上の本店事業所の従業員と対応させることにした」と改善が行われた。マイナス人勧の実施と言い、19年間の根拠ない比較対象企業規模の引き下げと言い、人事院勧告制度(人事委員会勧告制度)は、もはや限界にきているのではないか。新しい公務員の賃金体系の検討が必要なのではないか。
【答弁】本市職員の給与については、地方公務員法により、人事院及び県人事委員会による給与勧告の内容を尊重し、国及び県に準拠した給与体系を維持していくことが基本と認識している。
<なぜ、公務員賃金は、下がり続けてきたのか?>
昭和35年から始まった人事院勧告制度(地方公務員は人事委員会勧告)は、その完全実施を求める労働者のたたかいも相まって、民間企業労働者に比較し劣悪だった公務労働者の勤務条件や給与を改善する役割を果たした。「プラザ合意」による急激な円高の進行、公共事業拡大政策と低金利政策によるバブル経済の隆盛とその崩壊を経て、財界・大企業は、相対的に高くなった国内の労働力を見捨て、安い労働力を求めて海外進出を企図、国内の産業空洞化と言われる現象を引き起こした。国内では工場や営業所の閉鎖などが相次ぎ、労働者の解雇や非正規労働者への置き換えが急速に進んだ。これにより、民間労働者の賃金水準が急激に低下し、公務員賃金が民間賃金を上回るという逆転現象を生んだ。1998年からの0%台という低額勧告の後、2002年からは、本給部分のマイナス勧告が実施された。それでも、民間賃金との格差を埋められないとわかると、2006年、民間の比較対象企業規模を「100人以上」から「50人以上」に引き下げて、公務員給与表の大改悪を実施した。これ以降、民間の景気の動向に関係なく、公務員給与はほとんど上がらない状況が続いた。今年、給与とボーナスが大きく引き上がった要因に、比較対象企業規模を「50人以上」から「100人以上」に戻したことがあげられる。安倍政権が行った生活保護費の引き下げは最高裁判決で「法律違反」だと断罪された。「民間準拠」の基本である比較対象規模を強引に引き下げたこの19年間の人事院勧告制度は、その違法性を問われてしかるべきではないか。
二、学校司書、補助員・支援員の待遇改善について
【質問】学校司書の週25時間勤務の給与は手取り10数万円であり、とても自立して生活することはできない.週30時間なければ最低限の仕事はできないという声もある中で、1日5時間の勤務で十分だと考えるその根本には、学校司書の仕事をその程度のもの、女性が行う補助的な仕事だという認識はないのか。本市の学校図書館教育の今後の発展のためにも、学校司書の専門性の賃金面における評価など、学校司書の抜本的待遇改善が必要ではないか。
【答弁】令和7年度の学校訪問で実施した学校司書との面談において、34人中28人の学校司書が業務量に特に問題はないと答えており、勤務時間の中で適切に業務が行われてきている。全国調査でも、読書好きの児童生徒の割合は、全国平均より3ポイント以上高く、令和5年度からの学校司書全校配置により、質の高い図書館教育が推進できていると認識している。
【質問】特別支援教育補助員・学校生活支援員は、今年4月から全員が学期雇用となり、長期休業中は、別の仕事を探さなければならない状況にある。これでは、独立した一個人として安定した生活を送ることはできない。補助員・支援員としても十分な役割を果たすためには、中期休業中に教員との情報共有、指導方法の研究等の時間が保証されるべきだ。雇用形態を、通年雇用に改めるべきではないか。
【答弁】5年間の経過措置の後、学期雇用とした。勤務時間は、週29時間から週32時間30分になった。情報共有や研修のため、長期休暇の前後1日を勤務日とするとともに、すべての補助員・支援員を対象に年3回研修会を実施している。
三、「いのちのとりで裁判」最高裁判決の対応について
【質問】政府が決定した対応策は、あまりに浅ましい内容だと思うが、今後の市の対応は。
【答弁】現時点で、必要となる事務の内容や実施のスケジュールなど、自治体が行う具体的な事項が示されていない。今後、厚労省で自治体に対し説明会を予定しているので、本市としては、厚労省が決定する内容を踏まえ、適切に対応していく。
<「命の砦裁判」最高裁で勝る利判決>
「いのちのとりで裁判」の最高裁判決が6月に出され、安倍政権が行った最大1割の大幅な保護費の減額が「違法」だったと断罪された。しかし、高市政権は専門委員会を設置して報告書を出させ、引き下げ前に遡って全利用者に対して改めて2.49%減額する基準の再改定を行い、その上で、安倍政権が引き下げた一律マイナス4.78%からこの2.49%分を差し引き229%分、約10万円を支給するという補償金の値切りを行っ<「命の砦裁判」最高裁で勝る円を追加支給するが、裁判中亡くなった利用者には補償金さえ支給しないという、支援者を含めた裁判関係者に分断を持ち込む最悪の対応策を決定した。
四、権利としての生活保護受給について
【質問】政府の国連勧告への対応、国民の意識状況を考えれば、「生活保護受給は市民の権利」であることを周知させるには、権利ポスター作成のような抜本的取り組み強化が必要ではないか。
【答弁】本市においては、市のウェブサイトの掲載をはじめ、生活保護制度を分かりやすく説明した「生活保護のしおり」を作成し、各行政センター等窓口へ配置するとともに、広く周知に努めている。生活保護受給を検討している方々は、様々な課題を抱えていることから、お一人お一人の悩みを傾聴し、適切なアセスメント(評価・査定)を行った上で、利用につなげることが大事であると考えている。
【質問】福島市といわき市の同僚議員に、自家用車所有者の件数、移送費の実績の2件について調査してもらったところ、福島市の場合、自家用車所有は20人、移送費の実績は4393件(昨年度)。いわき市の場合、今年4/1時点の自家用車所有41件、移送費実績は今年半年で1513件との回答があった。本市の場合、以前の答弁で、自家用車所有11件、移送費実績136件と報告されたが、両市と比較すれば、本市の対応の改善が必要ではないか。
【答弁】福島市といわき市の実績には、医師や看護師の訪問診療・看護にかかる交通費も含まれていることが確認された。本市も同様に集計すれば、令和6年度の場合1831件となる。
本市の対応であるが、国の実施要領、運営要領に従って適切に制度を運用している。
【質問】以前から問題にしてきた福島市・いわき市と比較し低すぎる住宅扶助費、62中核市中、郡山市、いわき市、八戸市の3市のみと言われる不平等な級地指定の改善は、待ったなしの課題ではないか。
【答弁】どちらも、他の類似する自治体と比較し、低く設定されていることから、令和3年度以来見直しの要望を行っており、本年も4月と8月に要望者の提出を行った。今後も、国への要望を継続して実施していく。
五.田村町の産業廃棄物最終処分場建設について
岡田議員は田村町に3か所目の産業廃棄物最終処分場が計画されていることを問題視。過去の判例から、地元住民の反対があっても法律上は建設を認めざるを得ない仕組みになっている点を指摘。日本は地震や豪雨災害が頻発する国であり、長期的な安全性を誰も保証できないと強調。現在、稼働中1施設・建設中1施設に加え、計画中の3か所目は町の中心地に近く、周辺住居30戸以上が井戸水を使用しているため被害が懸念される。団地建設計画も処分場計画発表後に停滞し、住民の離脱意向も出ている。地域崩壊や農林業への悪影響を危惧。市としては申請を受け付けない、または事業撤退を促すべきであり、申請があっても許可しない勇気ある決断を求めた。
【環境部の答弁】
許可は「廃棄物処理及び清掃に関する法律」に基づき、公平・公正・中立に審査する必要があり、要件を満たす申請を不許可にする裁量権はない。ただし、市としては住民の懸念を踏まえ、事業者に水質・大気環境への配慮や丁寧な説明を指導してきた。福島県と情報共有しつつ、国に対して「処分場の過度な集中立地の抑制」や「住民説明会の義務化」など制度改善を働きかけている。今後も住民の思いを置き去りにしないよう、寄り添った対応を続ける姿勢を示した。
岡田議員は、公務員の役割軽視につながる民間委託に反対、市長や議員のボーナス増額に反対、子どもの安全を守るため学校給食の放射能検査再開を求める、という3つの立場を明確に示しました。
1.学校用務員業務の民間委託に反対。
今年異動したばかりの職員を再び異動させて委託に置き換えるのは不当。
災害対応など技能労務職員の役割は全国的に再評価されており、長期的視点で公務員としての雇用を維持すべき。
2. 市議会議員・市長等特別職のボーナス引き上げに反対
議員報酬や市長等特別職のボーナス増額(議員36,000円、市長63,420円)に反対。急激な物価高騰の中、年金生活者や低所得者の生活改善が進んでいない状況で、行政担当者が自らの報酬を上げるべきではない。
3. 学校給食の放射性物質検査再開を求める
請願第28号「学校給食食材の放射能検査再開と圃場土壌測定」を採択すべきと主張。郡山市は2023年度で検査を終了したが、県内産食材の使用率は低く、地産地消を進めるには検査継続が必要。福島市・いわき市・会津若松市では検査を継続しており、郡山でも子どもたちの安心・安全のため再開すべき。
<なぜ、生活保護が権利として広がらないのか>
日本共産党発行の「議会と自治体」12月号が生活保護の特集を組み、なぜ生活保護が権利として広がらないのか、その背景を探っている。「いのちのとりで裁判」で最高裁での勝利判決を伝えたニュースにも、「裁判する気力があるなら働け」「生活保護に私たちが納税した税金を充てられていることに納得できない」などの声が寄せられたり、2007年の世界意識調査で「自力で生活できない人を政府が助けてあげる必要があるか」の質問に、「政府が助けてあげる必要は全くない」「必要があるとは思わない」の合計が、日本は38%でダントツ1位。2位はアメリカで28%、世界各国は7~10%程度で、特に日本では自己責任論が蔓延していることがわかる。また、2013年に国連の社会規約委員会が日本に行った「生活保護の申請手続を簡素化し、かつ申請者が尊厳をもって扱われることを確保するための措置をとるよう」「公的な福祉的給付に付随したスティグマ(烙印)をなくす観点から国民を教育すること」という勧告を、政府は内政干渉だと反発し、取り合わなかった。
賛否が分かれた議案について(〇は賛成 ×は反対 -は棄権)


コメントを残す